*君に溺愛*
「髪とか、少し怖いです。
私、ヤンキーは怖いです」

一くくりにヤンキーなんて、怒るよね。

彼は、自分の髪に触れた。

「失礼します‼」

私は彼の言葉を遮るように、逃げようとした。


「俺、諦めねーよ?」




君の声が、聞こえた。


私は咄嗟に振り向いた。

金髪の名前も知らない彼が、フッ、と笑った。

どうして…………私なんだろう。

彼に合う人は、たくさんいる。

どうして………私なんだろう。

思い返していた。
あの男の子を…………。

「ルナっ、また告白??
今度は誰?」

廊下を歩いていた私に、入学式で仲良くなった池田 アミが、ニコニコ顔で近づく。

「あー、アミ。

えっと、誰だっけ。
名前知らないし、ただ金髪の不良みたいな」


「えーーー!!ルナ、まさかと思うけどその人、王雅(おうが)の総長じゃないの!?

スゴい、ルナ。
っで、付き合うの?」

まさかっ。

付き合う………?

「私、チャラい人は苦手です‼って逃げてきたんだけど………」


まずかったかな。

私は咄嗟にアミを見た。

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