*君に溺愛*
アミの見たことのない可愛い表情に、私も照れたように笑った。

「ごめんね、遅れて」


「ルナが無事で、良かった‼」

私達は、顔を見合わせ笑った。














「あれ、アミ…………?何してるの?」











「ルナ……………」












えっ……………?




慧くんに、雅くん。
こんな場所で、居合わせるなんて。

「何、なんでそいつらといるわけ?
俺が、そいつ気に食わないって知ってて内緒でダブルデートかよ!!」



ち、違うよ。


「慧は、私が信用出来ない?」

アミ………。

いつも、強気なアミが今日は、儚げで私まで悲しくなる。

その間、雅くんは黙って聞いていた。



「誤解しないでよ、アミちゃんが絡まれてるの助けただけだから」


清水先輩。

「……………うるせーよ、お前、アミに気があるんだろうが!?「止めてよ‼私のこと信じない慧に清水先輩を責める権利ないよ‼行こう先輩!!」


アミは清水先輩の手を引き、先に歩き出す。

取り残される私達ーーーー。


「ルナ……先輩に幸せにして貰いな」

雅くん…………?

「どうして、そんなこと言うの?」


「ルナに合うのは俺じゃない」


どうしてーーーー。


「私の幸せを、雅くんが決めないでよ‼
雅くんなんか、大嫌い‼
先輩、行こう‼」


こんな筈じゃなかった。


先輩の手を引き歩き出す私の背中腰に、君を感じた。

こんな筈じゃなかった。


ケンカなんか、したくなかった。

きっとアミだってそう。

こんな筈じゃなかったんだ。



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