*君に溺愛*
「尾行って言ったって、どこいるかわかんねーしな」

こんな広い大都会に、探すのも疲れる。

「ああ、それなら先月オープンしたショッピングモールにいるよ」

「そう、悔しいけど」
場所わかるなら、二人で尾行しろよ。

「二人で尾行だなんて、嫌だね‼
お願いだ、葵、助けてくれよ‼」

俺の心、読むんじゃねーよ。

雅は、相変わらずだし。

「わかったよ、行けばいいんだろうが‼」

もう、ヤケだ!!
俺達は、新しく出来たショッピングモールに向かった。


雅が気にしてる通り、俺もルナが気になるのは確か。

噂の先輩を見たことがない俺は、好奇心には勝てなかった。


「あ、アミ………可愛いっ、本当」

無邪気に笑い、メガネ先輩に優しい笑顔を向けるアミちゃん。

「ルナ…………、可愛い。
カメラカメラっ」

雅は、相変わらず不謹慎だし。

「お前ら、止めて置けば?
怪しいし」

「怪しいよな、あいつら」

「まじ、怪しい」

いや、お前らのが怪しいからマジ。
遠くから、二人を見つめる二人のヤンキー。

ガラス張りの窓から中を伺うあいつらに……。

中に入ればいくね?
恥ずかしい、とただ思った。
言わないけど。

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