*君に溺愛*
「早く、帰るよ。今日は学校行く気失せた。
デートしょう」

え、デート………?

「やったあ、ダブルデートだぁ!!
わぁい!!」

え、ダブルデート?
「ダブルデートって、つか、ついてくるの?」

「俺とルナと、葵とヤスでダブルデート楽しみだな‼」

…………………。

……………………。

「葵くん、なんか言わなくていいの?」


「なんか、言う気失せた。
いいよ、もうなんでもーー」

さすがに、吹っ切れる。

「いやぁ、ルナと、デートとか俺天に昇るかも‼」

そのまま、召されろ。

「と、言うかそろそろ下ろしてよ葵くん‼」
俺の腕の中、少し暴れるルナ。

「あ、ピンクの水玉ゲット!!」

はあ⁉

「え!!やだっ、雅くんのエッチ!!」

ルナが暴れた時、見えてしまったらしい。

「あ、雅さん、葵さん…………っ」

ヤスにも見えて居たんだろう。
顔が赤い。

「見た?」

俺の低い声が響いた。


「いいえ、いや、なんつーか……その……葵さんの彼女さんですよね?」

「は、はい。南ルナです。
初めまして」

ニコリ、と微笑むルナにヤスの顔がさらに赤みを増す。


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