Jelly
天才独特のオーラは、ある種のカリスマ性にもなっている。なまじ頭のいいやつほど凄さが解かってしまうのか、年齢もキャリアも全部ぶっとばして、神長が誰からも一目置かれる存在になるまではあっという間だった。

「先に行ってるから」
 神長は俺の肩を軽くたたいてそれだけ言うと、さっさとオフィスを出て行った。

 ……っていうか、どこに?
 書類がぐちゃぐちゃに入ったリュックの中からようやく財布をひっぱり出して、俺は慌てて神長の後を追った。
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