あなただけが好きだから




「帰り、って言っただろうが」




「え、また部活サボる気?」




「いや、それはもういい……」




「そ、そう?」




なら私になんの用事だろうか。
風邪を引いた時のことだろうか。




「きゃっ!?」




突然引き寄せられて首筋にキスを落とされる。
チクリとしたその痛みはあの日のものと似ていた。



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