あなただけが好きだから
「ちょ! なんで泣く!?」
「ご、ごめんなさい。嬉しくて」
「そうか、よかったな」
霧島先輩は何も言わずに頭を撫でてくれた。
蓮以外に撫でられるのは、とは思うけど。
皆に優しくしてもらってる。
そう考えると幸せだった。
「でも、何で私のとこに?」
「あー、坂本ちゃんの事知りたくて?」
そういう霧島先輩の頬は少しだけ赤かった。
「あぁ、咲は先輩が見た通りですよ。素直で真っ直ぐで、何にでもぶつかっていきます」
「あれでそうじゃなかったらむしろ怖いわ」