総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「ボクがユウちゃんを世話するのってさ。小さな子供にアメをあげて頭撫でる感覚なんだ。妹みたいな家族感覚でもなければ、いつか“そうなれたら”なんて下心もない」
お前は小さな子供になら優しくなれるのか?
「だけどこんなこと、ずっとは思えない。あの子だって“オンナ”だから。いつか、変わる。変わってしまうんだ。ボクがユウちゃんを拒絶する日は近い未来やってくるよ」
「どうしてお前は……」
「永遠の愛なんて存在しないからさ。知らないって残酷だよね、愁」
なんて目してやがる。
なにもかもに絶望したような。
光の宿らない、淀んだ瞳。
そんなに綺麗な顔してるクセに。
テメェは……
なにを見てきた。
なにを抱えてやがる?
【たとえばボクがボロボロのドブネズミみたいだったとして。キミはこんな風に一緒に買い物してまわれるの?】
異様なまでに自分を取り繕うことにこだわる燐。
【恥ずかしいだろ。そんなやつ。生きる価値ないんだよ】
まるで実在する誰かをさすような、あの台詞。
「遅かれはやかれキミは悩まされていたと思うよ」
俺がユウのことで悩むと予測のついていた、燐。
「最初からヤバそうな感じしてたんだよ。一人暮らしの男の家に、女の子住まわせるなんてさ」