総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
最初から?
そんなわけない。
「最初は、たしかに妹みたいな目で見ていた。それが。今は、そうじゃなくなってきたというだけで――」
「幻の言葉のマジックにかかってただけでしょ」
(言葉のマジック……?)
「本当はキミは最初からユウちゃんを“女の子”として見ていたのに。幻から『兄貴だと思え』って言われたユウちゃんを引き取った。あの瞬間、キミはユウちゃんを女の子として見ることを“禁止”されてしまったんだ」
【あの】
――なんてか細い声なんだろうと思った。
女子というのは、こんなにも、簡単に壊れてしまいそうな生き物なのかと。
【食事付きの宿があるって、聞いたんです】
(あのときにはもう。俺は。あの子を特別意識していたとでもいうのか?)
「幻がどんな意図を持ってあんな風にいったのかボクにはわからないよ。単純に仲良くしろって言いたかったのかもしれないし。ひょっとしたら『釘』さしたかったのかもしれないし。いずれにせよ、あれのせいでキミは意識しないように自分に言い聞かせてたんじゃないの?」
「それは……」
「もっとも、そうでなくても、歪んだことが嫌いなキミが。義理堅いキミが、幻の女を好きなんて気づいたところで死んでも認めることはないだろうけど」