総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


これは俺の初恋なのだろう。


君に、この気持ちを伝えることは

二度とないのかもしれない。


それでも。



――俺は、ユウが好きだ。



「強がっちゃって」

「笑いたければ、笑え」

「はあ?」

「俺は自分でも呆れるくらい不器用な人間なんだ」

「……なに回復してんの。ちがうでしょ、ここは、友達のカノジョ好きになっちゃうなんて。悲惨だよね。カワイソウだよねって。ボクに慰められるところでしょ」

「誰がテメェに慰められるかよ」


きっと、この気持ちは

燐のいうとおり

気づけば止まらなくなっていて

これから加速していく一方なのだろう。


君を嫌いになんてなれないし

大好きな君との時間は楽しく、

そして辛いものになる。


それでもいいから傍にいさせて欲しい。

どんな形でもいいから。


そんな選択をした俺を君は笑うか?


「あーあ。ユウちゃんを紹介したの、ボクだからさ。責任もって破局させてあげようかなーって思って。キミを使えばちょうどいいかと思ったのになぁ」


そんなことだろうと思ったよ。


結局お前はユウと俺が幸せになる未来なんて、望んでいやしない。


俺の気持ちを利用したいだけだ。

お前が楽しみたいだけ、だ。


「応援できないなら、せめてそっとしててやれ。あいつらのことは」

< 107 / 271 >

この作品をシェア

pagetop