総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


“変わった”と。思いたかった。


自分が一番可愛いお前も

ユウとの出逢いで、幾らか変われたと。


信じたかった。


この世の中には、

とんでもないことを考える連中が存在する。


忌まわしい事件はなくならないし

狂った人間は根絶しない。


そんなことはガキの頃からなんとなくわかっていた。

それでも俺の目の前に悪があるのは許せなかった。


だから燐から目が離せないのかもしれない。

できるものならお前に心を入れ替えて欲しい。


なあ、燐。


なにがお前をそこまで黒くする?


どうすれば人の心をそこまで捨てられるんだよ。


「ユウが傷つくような真似してみろ。俺は一生許さねぇ」

「だからー。それ、逆効果だって。幻の愛も。キミの友情も。この世界の人たちの気持ちも、ぜーんぶ。めちゃくちゃになるといいのになあ」

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