総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
お前のこと、俺はなにも知らない。
知ろうとしてこなかった。
気づけば当たり前のように幻の隣にいやがったクソ生意気なお前が、俺は嫌いだった。
それでも知ろうと思った。
思えたんだよ、燐。
なのにその結果がこれかよ。
「幻はオレがこんなやつだってことは知ってるよ」
なあ、幻。
どうしてこんな“バケモノ”――拾ったんだよ。
「それでも信じてくる」
「幻の気持ちをなんだと思ってんだ」
「オレはそれがたまらなく嬉しいと思う」
――!
「だから飼い猫でいたいって思っちゃうんだろうね」
「……燐?」
「だけど。同じくらい、息がつまるんだ」
もしかしたら、燐は。
……自分でも自分を止められないのか?