総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「よっわ。挑んできた割に瞬殺とか。もはや笑えない」
「クッ……まだ一勝だろ。あと二回チャンスはある」
「所詮はガリ勉くんだね。生粋のゲーマーには勝てないよ」
「は!? ゲーマー?……聞いてねえ」
買い物から帰ってきた愁さんと燐さんが、なぜかゲームを引っ張り出し、始めてしまった。
愁さんがゲームしてるイメージなかったけど持ってたんだ。
「ファミコンからPS4まで全部うちにあるよ。ソフトは数百本もってるけど」
「先に言えよ!」
「言わないよ。勝ち目ないのに強気で挑んできたバカが屈服するとこみるのだけが楽しみで来たのに」
まるで、兄弟みたい。
いや。
兄弟というよりは、むしろ。
(……カップルみたいだなあ?)
なぜか、燐さんが女の子の格好をしている。
『ねえねえ。今日のボク、ユウちゃんみたいじゃない? 双子コーデできちゃうね』
そんなことを言われてなんだか嬉しくなった。
「あのー、お昼食べました? さっき幻さんに作ったお弁当のサンドイッチ、みんなも食べるかなと思って多めに用意してみたんですが」
「ちょ、待てユウ、今は話しかけるな……ァァアア!」