総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


「……わたし。迷惑ですか」


わたしの声で、

ハッとしたように愁さんが自分の口元を手で覆う。


愁さんといて。

愁さんと、暮らしてみて。


わたし、すごく楽しくて。


出逢ってそんなにたっていないけど。

いろんな表情見せてくれて。


「愁さんも同じ気持ちでいてくれているとばかり」

「同じじゃ、ない」

「……っ」

「痛いくらいにわかった。燐に言われた言葉の意味が。俺が、あいつの前でどれだけ強がっていたか」

「……え?」

「どんな形でもいいから傍にいたいなんて。ただの虚勢だったようだ」


そう言うと、

愁さんがわたしの手をはらい


部屋に、入って行ってしまった。


なにが起こったの。

なんで、こんなことに、なったの。


さっきまで楽しく過ごしていたじゃないですか。

< 155 / 271 >

この作品をシェア

pagetop