総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「……わたし。迷惑ですか」
わたしの声で、
ハッとしたように愁さんが自分の口元を手で覆う。
愁さんといて。
愁さんと、暮らしてみて。
わたし、すごく楽しくて。
出逢ってそんなにたっていないけど。
いろんな表情見せてくれて。
「愁さんも同じ気持ちでいてくれているとばかり」
「同じじゃ、ない」
「……っ」
「痛いくらいにわかった。燐に言われた言葉の意味が。俺が、あいつの前でどれだけ強がっていたか」
「……え?」
「どんな形でもいいから傍にいたいなんて。ただの虚勢だったようだ」
そう言うと、
愁さんがわたしの手をはらい
部屋に、入って行ってしまった。
なにが起こったの。
なんで、こんなことに、なったの。
さっきまで楽しく過ごしていたじゃないですか。