総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「どうしてユウは一人しかいないんだろうな」
「わ、わたしが二人いたらきっと面倒くさいことになりますけどね!」
「いや。迷わず片方を俺のにするよ。まあ幻は、それさえ許してくれそうにないが」
「っ、」
愁さんに愛されていることも。
幻さんに、愛されていることも。
不謹慎かもしれないけど。
心から、嬉しいと思う。
気持ちにまっすぐに応えられるのは、幻さんだけで。
愁さんとは、これからも“仲間”のままで。
それでもみんなでいられたらなんて考えるのは贅沢でわがままなのかな。
「幸せになって欲しい。幻も、ユウも。それが俺の願いだ」
(……!)
「俺の気持ちから目をそらさずにいてくれてありがとう。おかげで、前を向いていける」
感謝されるようなこと、できてないよ。
こっちがずっと感謝しっぱなしなのに。
「好きになってくれて、ありがとうございます」
「これからは堂々と言うよ」
「え?」
「君が好きだ、ユウ。幻に飽きたら俺のところにおいで」