総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
カレーをゴトゴト煮込んでいたとき。
「買い出し行ってくるけど。なんかいる?」
愁さんが、部屋からやってきた。
「あ……大丈夫です!」
主に野菜やお肉の調達に向かうのだろう。
お米や水は宅配で定期的に届くようにしているみたい。
「連れてってやりてーけど。まだ体調も万全じゃねーだろうし。……うしろ乗っけたら命ねぇし」
「っ、」
【俺の許可なくこいつ乗せてみろ。ブッコロス】
(幻さんが、おかしなこと言うから……!)
「燐にメイク教わったらさ」
「……?」
「堂々と買い物でもなんでも行けるな」
「……ハイ!」
燐さんを頼りにしてばかりいないで、自分でも調べておかなければ。
せめて基本的なことだけでも。
「幻とのデートも」
「……!」
「ユウがめかし込んだら、幻のやつ『こんなに可愛い夕烏を連れ歩いて他のヤツの視界に入れたくねえ』とか悩みだしかねんな」
それはさすがにないと思いますよ!?
「カレーうまそう。楽しみ」という言葉を残して、愁さんが家を出て行った。