総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
まさか、燐さんが愁さんの家に住むことになろうとは。
誰が想像できたでしょうか。
「わーい。ルームシェア」
この展開は予想外だし、なにより急展開すぎる。
昨日思いついて今日実行にうつしたって可能性、なきにしもあらず。
家主である愁さんでさえ驚いているのだ。
相談せずに、燐さんが一人で決めたことなんだろうな。
「いやシェアじゃなくて陣取りだろ。奪われてんぞ俺が一方的に。どんどん領土狭くなってるわ」
燐さんは、所持しているバイクを全て売り払い。
(何台持っていたのだろう)
ブランドもののバッグやアクセサリーも多くをお金に代えてきてしまったそうで。
それでも、こんなに荷物を運んできたのをみると。
「どれだけ私物あったんです……?」
平均がどのくらいか知らないわたしでも
一人暮らしの荷物の量とは思えない。
「ほら、ボクって馴染みのお店に行くと『この棚からこの棚まで、全部ちょうだい』とか気前いいからさ」
「良すぎるだろうが。バブル期かよ。スペース考えろ」
愁さんのツッコミは、今日もキレッキレだ。