総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「そんなカンタンに満たされるわけないでしょ」
燐さんが、わたし手を握る。
燐さんの手は、真冬でもないのに、ひんやりと冷たい。
「キスしない?」
「……っ」
「ほら。今、この部屋に二人きりだし。言わなければ絶対にバレないよ」
「燐さん……」
「愛してくれるんでしょ。それとも、やっぱり口だけ? 良い子になりたかったの。ボクの前で」
「違うよ。わたしは。燐さんのこと、」
「ナイショのキスって、普通のよりドキドキすると思わない?」
どうして燐さんは、こんな
イタズラっぽいことばかり言うんだろうって。
疑問だった。
「ボク、舌にピアスしてるの知ってるよね」
「……はい」
「好評なんだよね。クセになりそうって」
「燐さ、」
燐さんの顔が、近づいてくる。
「せっかくだから。この機会に、幻とどっちが上手いか。比べてみるのもいいかもね。それとも。キミは、これから死ぬまで一人の男しか知らない気?」