総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
ドクン、と大きく鼓動がなる。
「ユウちゃん」
最初に出会ったときから感じていた。
有無を言わせないような、この目に見つめられると
絶 対 服 従
「ユウちゃんから、してよ」
喜んでお願いを聞いてあげたくなるし
吸い込まれちゃいそうになる。
それに
断るのが、こわい――。
「……さい」
「なに」
「来て、ください!」
燐さんの手首をギュッと掴み
ダンボールだらけの物置き部屋から一緒に出る。
「……ユウちゃん?」
「幻さんっ」
――助けてください、幻さん。
二人で、リビングのソファで横たわっている幻さんの前にやってくる。
愁さんは自室にいるのか、ここにはいない。
「なに、ユウちゃん。どうしたの。幻のとこにきて……」
「わたし、燐さんにキスをせまられたのですが」
「はあ?……待ってよ、ねえ」
「そういうのって。大好きな相手でも、やっぱり友達ではやるのは違うと思うんですけど」
でも。
そのお願いに応えなきゃ、燐さんが
わたしを許してくれない気がしたんです。
「……どうすればいいですか」
――燐さんのこと、助けてください。