総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「……燐」
幻さんが、ゆっくりと、口を開く。
「ジョークだよ、幻。キミの女をオレが誘うわけないし。告げ口は卑怯だよ、ユウちゃん」
珍しく慌てた燐さんが“オレ”になる。
「こっち来い」
「え」
「はやく」
「殴られるの、オレ」
呼ばれた燐さんが、しぶしぶ
幻さんに近づいた――そのとき。
「二度とユウにそんなこと言うな」
とても低い声で、燐さんの耳元で囁いた。
「ハイハイ。もう言わない――」
「相手がちがうだろう」
「は?」
――燐さんの頬に、幻さんの唇が落とされる。
そこに、
「……なに、やってンだ」
タイミングよく(?)愁さん、登場。
部屋から出てきた愁さんが口をあけて
手に持っていた、コーヒーカップを――。
「あ、愁さん……!」
「て、テメェら、人の家で※‰π℉!!?」
最後の方、なんていったか聞き取れない。
めちゃくちゃ混乱しているようだ。
もちろん、わたしだって驚いている。
そんな周りの視線を気にせずに幻さんが言った。
「もっとしてやろうか。どこがいい?」