総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「怒らせちゃいました、ね」
「平気さ。それより、よかったねー。どっちも可愛いだってさ」
「……ハイ」
愁さんって。
あんなにさらっと可愛いとか言うタイプだっけ?
そんなことを考えながら照れていたら、シャッター音が聞こえてきた。
「幻に見せてあげよ」
「へ?」
「送信完了っと!」
えええ、もう送っちゃったんですか。
「いい感じだよ〜」
「ホントですか?」
「うんうん。ほら見て」
燐さんに差し出されたスマホを覗き込むと、画面には、いつもと雰囲気の違いすぎる自分がいた。
世間に出回っている
“失踪少女”の写真とは既に別人みたい。
ウイッグかぶってマスクをすれば、絶対にわたしってバレないだろう。
(買い物も、デートも、いける)
「さすが! 燐さんの、整形メイク……」
顔をあげると
綺麗な顔した燐さんのドアップが目に飛び込んできて。
「……っ」
思わず、顔を背けてしまった。
(あからさまに拒絶したの感じ悪かったかな)
「その反応」
「……! ごめんなさい」
「んーん。そうじゃくてさ」