総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
なんだか曖昧だ。
ハッキリしていないのは、燐さん自身も答えが見つけられていないからなのだろう。
「かわいいと、カッコイイ。どちらも表現できるの素敵ですね」
「姫がお望みなら。エロカッコイイ騎士になるよ?」
「エロはっ……余計です!」
「あはは」
「可愛い自分でいられるときが楽しいなら、その姿でいるのが一番ですよね」
「猫かぶってただけなんだけど。案外オレよりボクの方が、しっくりくるかも。まあ、今しか楽しめないだろうけどさ」
「今しか?」
「この外見が維持できる期間なんてあっという間に過ぎちゃう。天然で美しいうちは、ぶりっ子続けてようかなと思うよ。賞味期限切れる、ギリギリまで」
「賞味期限って、食べ物みたいにいいますね」
「そうさ、今が食べ頃だよ。この時期ってあっという間に過ぎちゃうでしょ。旬のボク、味見したくなった?」
そんなことを言う唇は、薄くて、綺麗な色をしていて。
大きな瞳は相変わらず澄んでいて。
甘い果実をひと摘みしてみたくなるけど。