総長さんが甘やかしてくる②（※イラストあり）

燐さんの言葉の意味が理解できないでいると、燐さんは、小さくため息をついた。


「危機管理能力、もっとつけなきゃねってこと」

「……え？」

「目を離したら、なにするかわかんないよ。ユウちゃんのプライベート覗いて。世界配信しちゃうかもよ」

「そんなことしないですよね？」

「！」

「燐さんは“信頼できる相手”だから、あずけても平気です。それに、いいこと、思いついてくれたんでしょ。わたしのために何かやってくれようとしてるのに疑いたくないです。ジュース持ってきますね」


そう言ったわたしに、


「まいったなあ。ちょっと今のは。オレでも……やられちゃう」


顔を赤くする、燐さん。


「幻と愁の気持ちがわからなくもない。というか、わかりすぎる」

「……燐さん、オレになってる」

「無自覚天然小悪魔」

「は！？」

「降参だ。オレはキミを崩せない。なんかもう完全に崩す気もなくなった」


よくわからないけど、突然からかい甲斐なくなったみたいだ、わたし。


「それに比べて。あのガリ勉」

「愁さんですか？」

「イジればイジるほど、期待通りの。ううん、ときどき期待以上の反応みせてくる」