総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


どうして喧嘩になるの。


【ボクは愁に幸せになって欲しいのかもね】


お互い、こんなに想い合っているのに。


すれ違いは起きるの?


「……ユウ。そんな顔すんな」


――え……?


「ほんとそれ」

「テメェがそんな態度取るからだろ」

「愁が、大人になればいいでしょ。年上なんだから。ボクまだ甘えたい年頃だしー?」


ん??


「こんなときだけ年下の特権主張すんな」

「なあに? おじさま♡」

「と、とにかくユウは、燐の減らず口なんて気にしなくていい」

「ボクたちは喧嘩してないと生きれないみたいなとこあるからね。大袈裟に考えなくていいよ」


(そ、そうなの……!?)


愁さんが咳払いする。
 

「真面目なハナシ、燐は教育機関で学ぶ機会を設けたらどうかと思う」

「なにそれ」

「俺は、義務教育は受けるべきだと思う。どれだけ身につくか。いかに将来に役立つかは個人差があるが、受けているといないでは感覚も違うだろうからな。いくつになってもいい。受けられるときに受ければ遅いなんてことない」

「やだー」

「やりたい道に進むための試練だと思え」

「愁は?」

「……は?」

「望まない将来のために、イヤイヤ試練を受けて。楽しい? それをボクに押し付けて気分いい?」

「ちょっと燐さん。そんな言い方、ないですよ。愁さん、自分のことだけでも精一杯なのに。燐さんのこと考えてくれて――」

「それが押し付けだっていってるの」
< 234 / 271 >

この作品をシェア

pagetop