総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
どうして喧嘩になるの。
【ボクは愁に幸せになって欲しいのかもね】
お互い、こんなに想い合っているのに。
すれ違いは起きるの?
「……ユウ。そんな顔すんな」
――え……?
「ほんとそれ」
「テメェがそんな態度取るからだろ」
「愁が、大人になればいいでしょ。年上なんだから。ボクまだ甘えたい年頃だしー?」
ん??
「こんなときだけ年下の特権主張すんな」
「なあに? おじさま♡」
「と、とにかくユウは、燐の減らず口なんて気にしなくていい」
「ボクたちは喧嘩してないと生きれないみたいなとこあるからね。大袈裟に考えなくていいよ」
(そ、そうなの……!?)
愁さんが咳払いする。
「真面目なハナシ、燐は教育機関で学ぶ機会を設けたらどうかと思う」
「なにそれ」
「俺は、義務教育は受けるべきだと思う。どれだけ身につくか。いかに将来に役立つかは個人差があるが、受けているといないでは感覚も違うだろうからな。いくつになってもいい。受けられるときに受ければ遅いなんてことない」
「やだー」
「やりたい道に進むための試練だと思え」
「愁は?」
「……は?」
「望まない将来のために、イヤイヤ試練を受けて。楽しい? それをボクに押し付けて気分いい?」
「ちょっと燐さん。そんな言い方、ないですよ。愁さん、自分のことだけでも精一杯なのに。燐さんのこと考えてくれて――」
「それが押し付けだっていってるの」