総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
そう言うと、燐さんが部屋に閉じこもってしまった。
ご飯まだ食べてないのに。
「……やっちまったな」
「え?」
「俺は、あいつの親じゃない。だからあいつの心を無視して無責任なことばかり言えてしまうのかもしれない」
「そんなこと……!」
「あるさ。所詮他人だ。いくらあいつを想っても、本当にそれが燐のためのことか、よくわからない。自分なりにあいつを想ってはいるんだが。俺はあいつにとってお節介ジジイでしかないのかもな」
「愁さん……」
「まあ。すぐに、いつもの燐に戻るさ。飯にしようか」
「……はい」
きっと、愁さんのその優しさは伝わってますよ。
だからこそ葛藤があるんですよね。燐さん。
愁さんは、そんなつもりがなくても
貫いてきたものを変えろと言われると
これまでの燐さんが否定されちゃうみたいに感じたんですよね……?
テーブルに、二人分の昼食が並ぶ。
「やっぱり燐さん、呼んできましょうか」
「いや。あとで俺が部屋まで持ってくよ」
「……甘いですね」
「ほんとにな」
「喜びますよ、燐さん」
「扉あけてくれるかわかんねーけどな」
「文句言いながら開けそうです」
「はは。だといいんだけど」