総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「悪かったよ。押し付けて」
テメェの人生のことは。テメェが、決めればいいよな。
「ただ。俺は、お前になにかしてやりたいんだ」
約束しただろ。退屈、埋めてやるって。
人生捨てたもんじゃないって思わせてやるって。
なあ、燐。
俺、お前に、なにがしてやれる?
「……俺が口うるさいからって。出ていくなよ?」
「いかないよ」
――!
てっきり熟睡していると思った燐が、
まぶたを開いた。
「どう?」
「は?……どうって、なにが」
「美しいボクの。無防備な寝顔。そそられた?」
「アホか。なに言ってんだ」
いつもの燐だ。
ただし、さっき俺がクソ恥ずかしいこと言ったことにはツッコミを入れないらしい。
「こうやって。顔だけ出してたら、女の子みたいでしょ」
「……そうだな。少女だな」
「可愛い?」
「黙れ」
「どうしてキミは、いつもボクを可愛いって認めないの」
「そうだったか?」
「言わないよね。思ってるクセに」
その自信満々なところが可愛げないんだっつの。
「キモいだろ。俺がお前に可愛いとか言ったら」
「ユウちゃんは言ってくれる」
「それはユウだからいいんだよ」
「ふーん」
「別にお前だって俺なんかから言って欲しかねーだろ」
「言って欲しいってお願いしたら、言ってくれるの」