総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


「……言わねーよ」

「愛してくれるって言ったのに」

「意味がちげぇだろ」

「はやく消しちゃえばいいに」

「は?」

「ユウちゃんの前で気持ち抑えてる愁見てると。なんだかこっちまで切なくなってきちゃった」


本気か?

いや。どうせからかわれてるんだろう。


「案外平気だぜ」

「強がり」

「そりゃあユウは可愛いし。やっぱ……好きだ」


妹みたいな目でみるなんて無理だ。


「でもよ。それだけじゃないだろ」

「どういう意味?」

「恋愛が全てじゃない。お前もいるしな」


って、ひと言余計だったか。

またキモいとか言われるパターンに――。


「じゃあ、やっぱり、オレでいいんじゃん」

「は?」

「ご飯たべさせて。愁」

「おい。それはいくらなんでも、甘えすぎ……」

「食べさせてよ。愁がいいんだ。幻でも、ユウちゃんでもなくて、愁が」

「……っ」


なんでそんなこと、

そんな子犬みたいな顔して頼んでくるんだよ。


「赤ちゃんのときにさ。きっとボク、シネって思いながらご飯もらってたと思うんだよね」

「そんなこと考えるのやめないか」

「ご飯っていうよりは。死体出さないために。食べても死なない程度のものを、口に突っ込まれてたんだと思う」

「やめろって、燐」

「ご飯たべさせて。愁」
< 239 / 271 >

この作品をシェア

pagetop