総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
なんつーか
さっきから俺のこと口説いてるみたいな台詞
(単に面白がってるわけじゃない……?)
「してくれないんだ」
「……え?」
「そうだよね。いくら可愛くたって。オレは、そうじゃないもんね」
(……燐?)
「ありがと、愁。出ていっていいよ。あとは、自分で食べられるから」
「いや、もう一口二口くらい。別に……」
「出ていってよ」
「……ンだよ。テメェが甘えさせろっつったクセに」
「イライラするんだ」
「カルシウムとれや」
「キミのせいだ」
「そうやってすぐ、他人のせいに……」
「“出ていくな”とか。なに目線で言ってんの」
――燐?
「チョロいよ、オレ。愁から、そんな縛るようなこと言われたら。喜んじゃうよ」
明らかに
燐が、いつもと違うのがわかった。
「やっぱり拾ってもらうんじゃなかったかなあ」
俺を動揺させたくて吐かれた台詞というよりは。
燐が、動揺しているのが伝わってきた。
「……とりあえず、食えって」
「いらない」
「勿体無いだろ」
「じゃあ、口移しで食べさせてよ」
「いい加減にしろ」
「いい加減にするのはキミだ」