総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
どうしてそんなこというの。
どうして縛るの。
どうせ、必要じゃないのに。
またわたしを家政婦にするため?
「……おばさんの、指示ですね?」
サトルさんの影から問いかける。
宗吾さんは、なにも答えない。
「世間体を気にしたおばさんから連れ戻すように頼まれたんですね。誘拐事件ならまだしも。家出なんてわかれば、恥になりますもんね」
「いつからそんな口をきくようになったんだお前。……やはり不良どもといるから、悪影響を受けたのか」
どこまで調べたの?
幻さんのこと、知ってるの?
「お前をかくまっているやつらの存在も。寝泊まりしているマンションも、特定済みだ。いつでも迎えに行けるということ。そして、誘拐犯を捕まえられることだけは覚えておくんだな」
「誘拐じゃない!……わたしは、自分の意思であんなところを――」
「ユウ。大きな声出すな」
サトルさんに口元を抑えられ、ハッとする。
宗吾さんは
商店街の人混みに姿を消してしまった。