総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
――!
「いつも夕烏がお世話になっています」
営業モードって感じの幻さんだ。
というか名字、カワサキだったの?
カワサキゲン、さん?
「……はい。わかりました。では、バイクは裏手から。……ええ。ありがとうございます。明日からも、どうぞよろしく頼みます。スミレさんにもよろしくお伝えください」
電話を終えた幻さんから携帯電話を受け取る。
「サトルさんに挨拶してくれてありがとうございます……!」
幻さんは、なにも答えない。
すると燐さんが
「ちがうちがう。今のはー、『俺の女と長電話すんなバーカ』ってやつだよ」
含み笑いをして答えた。
「え!?」
「少なくとも今の電話を受けたら、サトルも変な気は起こそうと思わないだろうからねえ」
「そ、そんな気、最初からないですよ」
「どうしてそう言い切れるのー?」
「サトルさんから見たらわたしは小学生らしいですし」
せめて中学生と言ってほしかった。
「んー、でも、世の中には年下だーい好きなオトナもいるしー?」
「あと、サトルさんは彼女さんいますから!」
「彼女いても。それはそれ、だよ〜」
「絶対にありえませんってばー!」
「ムキになってかわいーな」
「また、そんなこと言ってからかうんですね?」
「ほんとユウちゃんかわいい。おいしそう」
――美味しそう?
「今日はボクと一緒に眠らない? 女子トークしよ」