総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
ラクガキを終えたあと、取り出し口から出てきたものを手に取りはしゃぐ燐。
「半分こしようね。携帯にも送っておかなきゃ。いっしょにホーム画面にしちゃう?」
「マジでいらねえ……金の無駄使い……ってなんだこの『一ヶ月記念日♡』って」
「雰囲気雰囲気〜」
鳥肌がたった。
それからというもの
俺は燐に振り回されっぱなしで。
「あーん」
「するか」
クレープを食わされそうになったり(一つだけ注文したものを分けようとしてきた)。
「……っ、離しやがれ!」
手を繋がれたり。
「“恋人繋ぎ”っていうんだよ。指を絡めるの」
「知るかよ」
もちろん秒ではらいのけた。
コイツがいつもわけのわからねぇことをしているのは承知していたが。
……燐のやつ。
いったいなにを考えていやがる?