総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
なにが楽しくて野郎と。
それも、燐とデートしなきゃならねーんだ。
まったく意味もなく、こんなことするやつではないのは確かだが。
「なに。ボクの顔に、なにかついてる?」
「別に」
……まるで読めねぇ。
「そういえば、愁ってどんな子がタイプなの」
「タイプ?」
「こんな子と付き合いたいとか、ないの」
「……特には」
そんなこと聞いてどーすんの。
だいたい俺に微塵も興味ねぇだろ、お前。
「なにかあるでしょー。体型とか、顔のパーツとか。フェチにも色々あるよね。足でしょ、お尻でしょ、女の子なら男の骨ばった手とか鎖骨みたいな」
指折り数え始める燐。
「ねぇな。あったとして、お前に晒すかよ」
「いいから、教えてよ」
なにも秘密にしたいわけじゃない。
こだわりがないだけだ。
巨乳好きと主張してるやつは、胸を理由にカノジョにするのか?
俺はフェチと恋愛感情はイコールで結ばれない気がするけどな。
知らんけど。
恋を語れるほどの経験はない。
その点に関しては絶賛恋してる幻の方がよく知っているだろう。
「しいて言うなら、気の合う子だな」
「そんなんでいいの?」
「……重要だろ」
「他には?」
あとは、そうだな。
互いに好きなものだけでなく苦手なことも言い合えるような、そんな子だと楽しいかもしれない。
「きっと、俺は好きになった子が好きなタイプになるんじゃねーかな」