総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「うわぁー。想像通り。引いちゃう」
「予想ついてんなら聞くなよ」
「優等生らしい回答だよね、ほんと」
「お前はどうなんだよ」
「すきなタイプ? お金持ち♡」
「……そうだ。そういうやつだった」
「あー、でも。ユウちゃんは好みだよ」
――!
「……ユウは俺たちの仲間だろ」
ユウのことヘンな目で見んなよ。
「仲間以前に、ユウちゃんは女の子だよ。あの子が幻の前でだけ見せる顔。幻にしか聞かせない声。興味ない?」
「…………」
「気の合う子なら、友達でもよくない?」
「は?」
「ボク、よくわからないんだよね。そもそもに“付き合う”の定義が。たった一人にこだわる意味あるのかな。食事みたいにさ。和洋中、気分で変えればいいのに。でなきゃ飽きるでしょ。なんで縛り合うんだろうねー。いないほうが圧倒的にラク」
恋人とは、どういうものなんだろう。
「……それでも。こいつは特別だって思えたら、それが恋で。お互いがそんな風に感じられるってすごいことなんじゃねーの」
ユウに笑いかける幻を見ていたら、いつか俺もしてみたいという気にさせられなくもない。