総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
それでも――。
「テメェの価値観で俺の人生はかんな」
女子という、自分とはまったく違う生き物を大切にしてやりたいと思ってなにが悪い。
「俺のことバカにしたいなら、勝手にしていればいい」
「そんなつもりないってー。キミは少し遊びたりていないんじゃないかと思っただけ」
“遊びたりない”
【K女子との合コン行く人ー!】
それは
俺が常日頃から感じていることだった。
「つまんないでしょ。退屈なんでしょ。満たされないんでしょ……だから、走るんでしょ? お堅い愁くんに、女遊びのひとつでも覚えたら人生がより楽しくなるんじゃないのっていうボクからの提案」
(コイツ……)
「はやく本来の目的を済ませるぞ」
「本来の目的ってー?」
「ユウのもん買いに来たんだろうが」
このまま燐の気まぐれの相手してたら日が暮れちまう。
もう十分付き合ってやったからな。
そろそろ、終わりに――。
「えー、ちがうよ」
(……は?)
「たしかに愁をマンションから連れ出すとき『買い物に行こう』って誘ったけど。別に“ユウちゃんの”とは言ってない」
「どういうつもりだよ」
「わかんない?」
「ハッキリ言え」
「幻とユウちゃんを二人きりにするために、出てきたんじゃん」