総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
腕を引かれ、
『STAFF ONLY』と書かれた通路を躊躇いなく進む燐についていく。
「おい……燐。ここは入っちゃまずいんじゃ」
あたりには誰もいないようだが。
突き当りの角を曲がった場所で、高いヒールを履いた燐に胸ぐらを掴まれる。
「……ンだよ」
「キミの出る幕なんて、ないんだよ」
――!
「キミにとってあの子が、妹みたいでも。せいぜい向こうは大家くらいにしか思ってないんだよ、キミのことを」
「なんだと」
「いつユウちゃん出ていくんだろうね」
「……は?」
「案外すぐに幻と住むとこ見つかったりして」