総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


燐の言葉は、たびたび斜め上から飛んでくる。


棘のようにチクリと刺さる言葉も

メスのように切り刻む言葉も

爆弾のようにトドメをさす言葉も


平気で使いやがるから回収が面倒なんだ。



「お前いつもそんなこと考えてんの」


この、ゲス野郎。


「でも、愁は女の子との距離の縮め方を知らないもんなー。そうだ。ボクがきっかけ作って。連絡先聞いて。仲良くなって。キミの妹のフリして、取り持ってあげようか」

「アホか。絶対にやめろ」


俺は燐が爆弾のスイッチをいつ押すかもわからなければ、爆破するタイミングも予測できない。

すべてはコイツの気分次第なのだ。


「『絶対にやめろ』……かぁ。それ、ボクのやる気スイッチだよ♡」


ほんと歪んでやがるな、お前ってやつは。

< 77 / 271 >

この作品をシェア

pagetop