総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
燐の言葉は、たびたび斜め上から飛んでくる。
棘のようにチクリと刺さる言葉も
メスのように切り刻む言葉も
爆弾のようにトドメをさす言葉も
平気で使いやがるから回収が面倒なんだ。
「お前いつもそんなこと考えてんの」
この、ゲス野郎。
「でも、愁は女の子との距離の縮め方を知らないもんなー。そうだ。ボクがきっかけ作って。連絡先聞いて。仲良くなって。キミの妹のフリして、取り持ってあげようか」
「アホか。絶対にやめろ」
俺は燐が爆弾のスイッチをいつ押すかもわからなければ、爆破するタイミングも予測できない。
すべてはコイツの気分次第なのだ。
「『絶対にやめろ』……かぁ。それ、ボクのやる気スイッチだよ♡」
ほんと歪んでやがるな、お前ってやつは。