総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
夕烏は、燐と俺のことを
“喧嘩するほど仲がいい”とでも思っていそうだが。
俺は燐を警戒している。
なにせうちのトラブルメーカーで。
……人の命を軽く考えているようなやつで。
ゲーム感覚でさっきの子に声をかけるくらい朝飯前だろう。
気持ちなんてなくてもあの子に手を出せるし、俺にすすめてくるのだって、自分が楽しめそうだと考えるからだ。
そうだ、こいつは、そういうやつなんだ。
なに燐の言葉にペース乱されてんだ俺は。
ユウは、燐を信用しきっている。
黒梦と繋がるきっかけを作ったのは、紛れもなく、燐だからだ。
俺もその点には感謝している。
ユウを黒梦に紹介してくれて。
……ユウと幻を出会わせてやってくれて。
「あと必要なのは愁からの押しだけだろうなー」
「押さねぇよ」
「えー。愁の優等生の仮面が剥がれてくとこ、見たいのに」
あの、純真無垢なユウは
こいつが気まぐれで他人の人生めちゃくちゃにするなんてこと、考えもしないんだろうな。