総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「小学生がメイク? ままごとじゃなくてか?」
「小学生だって女の子だよ、愁。メイクはもちろん、ネイル見て心ときめくし。キラキラしたアクセサリーつけたいでしょ」
小学生女児の気持ちが理解できるお前なんなの。
「今どきキスくらい小学生でもしてるしー?」
「ウソだろ? そんなやつ周りにいなかったぞ」
「気づいてないだけだよ。休み時間にサッカーボール蹴ってるようなやつが、彼女とは手を繋いでたりするんだろうねぇ」
世間の子供を見る目が変わっちまいそうだ。ってこいつの話がどこまで信用できるかなんて、わかんねーが。
「愁ってさ。“女の子は生まれつきみんな可愛い”みたいな脳みそしてそうだね」
「……わるいかよ」
「“かわいい”は、作るんだよ。可愛い子は、みんな可愛くなろうと頑張ってる。お金も時間もかけて可愛くなるんだ。愁そのへん無頓着だから勉強するべきだね」
「だったら女子は男心を学んでるのかよ」
「うーわ。めんどくさーい」
「ああン!?」
「きっと『どっちがいいかな?』って両手に服を持って聞かれて『どっちでも』とか言っちゃうんだろうね。髪型やメイク変えても、新しい服を買っても、知らん顔して気の利くことも言えないんだろうなー。見た目悪くないのに中身退屈なせいでせっかくできた彼女と長続きせずに将来は魔法使いになるんだろうね〜」
「ほっとけ。って誰が魔法使いじゃ」