総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
「ボクの好きなアイテムは、これ」
そういって、燐が手に取ったのは――口紅だった。
(そんなの使ってたことあるか?)
「真っ白な肌で真っ黒な髪の夕烏ちゃんに、“真っ赤”を足したら。すごく綺麗だろうな」
それを聞いた俺は
真っ赤な口紅を施した、ユウを想像した。
そんな俺を
なにも言わずに見上げて微笑む、燐。
燐は、言葉がないときの方が、意味のあることを考えているんじゃないだろうか。