総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


女子のショートカットって新鮮だな。


無防備なうなじ

綺麗や顎のライン


さすが美容関係の職についているだけあって自分の魅せ方わかってるという感じだ。


ユウはロングだが、このくらい短いのも似合いそうだという考えが頭をよぎる。


「愁っていうんだ」

「ふぅん。シュウくん。背たかいねー!」

「……どうも」


年上の女性は、同年代よりは話しやすい。

これは昔から接する機会が幾らかあったからだろう。


母親。家政婦。教師。

それから、父親の知人。


「あー、エミリちゃん。いまボクのことディスった?」

「やだ、ごめんね。ちがうよ」

「高いほうが好きなの?」

「そんなこと言ってないってば。ただ、こんなに大きな人ってまわりにいないから純粋にときめいちゃった」


……営業トークだな。


社交の場に足を運んできたからわかる。

燐が友人を連れてきたから褒めてくるのだろう。


「燐くんはいつも本当に素敵ね。こんなオバサンでもキュンとしちゃう」


ほれみろ。

謙り、燐をたてることも忘れない。


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