総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
エミリという女性と燐の会話は、心の探り合いとう感じで。
本人たちはそれが楽しいのだろうが、俺はそんな心理戦を聞いていても疲れるだけだ。
ユウは他人を褒めるとき、本気で褒める。
言われた方が困るくらい直球で。
タバコをやめようと決めた、あの日も――。
【口になにか含んでたいなら別にガムでもよさそうな】
思ったことそのまま口にして。
【……カラダの負担に、なっていそうで】
そんなこと言うやつ初めてで。
他のやつに言われても気にしなかったろうに。
あの子の言葉は、妙に響く。
【えっ……あの……楽しみをひとつ奪ってごめんなさい】
奪われた?
いや、違う。
【叱るなんて。そんな……ただ、心配で】
君は、俺に……。
「愁のやつ、こんな顔して好きな子をデートに誘うこともできないシャイボーイだから。ボクが今日、練習相手になってあげてたの。優しくなーい?」
勝手に設定作りやがって。
誰がテメェにそんなこと頼むかよ。