総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
まさか俺にハナシ振ってくるとは。
こんなとき、なんて答えればいい?
「……少しだけ」
なんだよ少しって。まあいい。
はやくこの店出てぇ……。
「愁の好きな子、ユウちゃんって言うんだ」
またコイツは……勝手なこと言いやがって。
ハナシを広げるな。
ユウのことは、好きだ。
だけど恋じゃない。
恋なわけ、あってたまるか。
「へー。ユウちゃんとのデート、成功すること祈ってるね」
それは
……幻って男に祈ってやってくれ。
ユウは
口元についてるクリームに気づかずに、クレープを食い続けそうだな。
プリクラは……、すごくはしゃぎそうだ。
【やったあ。幻さんとの……初プリ】
燐としたことを。
もしも、
幻とユウとしたらどうなるかの想像。
もちろん作り物にすぎないのに。
【わー、メイクって色んな道具があるんですね?】
【これカワイイですね】
【……手。繋いでみませんか】
【楽しいですね】
――脳内に流れる映像は妙にリアルだった。
ユウには、きっと
俺には見せない顔がたくさんある。
幻にしか見せない顔が。
俺の、知らない顔が――。
「っ、」
「シュウくん……!?」