総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)
そんなもん
――いちいち、数えてるかよ。
考えるというよりは。
「片隅に。いつもいる」
「うん。知ってたよ」
お前、やっぱり
なにも考えてないようで、めちゃくちゃ相手のこと観察してるじゃねえか。
本人が、気づいてないことにすら
テメェは何食わぬ顔しながら気づいてやがるんだ。
「……エミリさんを見てさ。ユウもショート、案外似合うだろうなって」
深く吸った煙を吐き出す。
数日ぶりのタバコだってのにクソ不味い。
こんなもん、やめて、正解だった。
「それじゃ、ユウちゃんにはショートのウィッグプレゼントしようよ。ぜったいカワイイね」
「俺もそう思う」
「やけに素直じゃん。どうしたの」
なあ、燐。
教えてくれよ。
「俺の思う、ユウへの“可愛い”と。お前の思う“可愛い”は。どう違うんだ?」
妹みたいに可愛がりたい。ユウを。
だけど。
俺には、それができないのか?
「それはキミの方がわかってるんじゃないかな」
「…………」
「っていうか、ボクには絶対にわからないことだよ」
「なに?」
「心の底から女の子を可愛いって思ったことがないからね」
(……は?)
「嫌いなんだ。オンナってイキモノが」