もう一度、君と初恋を。
「なに?俺にドキドキしてんの?近いから?」
「…しっ、してない!」
「へえ〜…?」
友希、完全に私で遊んでる。
さっきからクスクス笑ってるし!
こっちは恥ずかしい思い、沢山してるのに…!
もちろんその後も授業に集中できるわけがなく、苦手な数学なのにまともに聞けなかった。
全部全部、友希のせい。
授業が聞けなかったのも、怒られてしまったのも。
こんなにドキドキしてしまったのも…。
友希は幼なじみで初恋の人、それだけのはずなのに。
それだけじゃない気がするのは、一体どうしてなんだろう。
…それに気付くのは、あと少し先の話。