もう一度、君と初恋を。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい!あっそういえば…」
なんかお母さんが最後に何か言った気がするけど…まあいっか。
そしていつも通り、私は歩いて学校へ向かった。
* * *
「朱莉〜!おはよ!」
「華!おはよ!」
教室に入って1番に声をかけてくれたのは、高1から同じクラスの安田華(Yasuda Hana)。
明るくて運動神経抜群の可愛い女の子。
大切な友達でもあり私の憧れでもある。
「そういえばさっき、朱莉に用があるっていう他のクラスの男子来てたよ〜?名前なんだったっけな〜…。」
…私に用のある男の子って誰だろう?
部活にも委員会にも入ってない私が、他のクラスの男の子と関わることなんてないんだけど…。
「私に用って、それ人違いじゃないの?他のクラスの男の子と接点ないし…。」
「人違いじゃないよ!朱莉に用があるって!まあどんな用かはなんとなく察したけどさ。」