もう一度、君と初恋を。
「朱莉は俺と一緒に帰るのがそんなに嫌なわけ?」
「嫌とかそういうわけじゃ!なくて…その…。」
流石に今も女の子たちに見られてるのに『友希のことが好きな女の子たちの視線痛いから』なんて言えるわけないし…!
もちろん友希と一緒に帰りたいって私も思ってるけど、この状況で一緒に帰ったらヤバい気がして仕方がない。
どう言って断ればいいのか…。
そんな時、
「ねえねえ桜庭くん!私たちと一緒に帰らない?」
クラスの女の子が友希に声をかけた。
これで友希がその子たちと一緒に帰れば平和に終わる…。
なのに、どうしてモヤモヤしてるんだろう。
胸の奥が、なんだか苦しい。
なんて思っていたら、
「悪いけど俺は朱莉と帰るから、ごめんな?」
まさかの友希はお誘いを断った。
『私と帰るから』って。