もう一度、君と初恋を。







「それ、冗談で言われたんじゃなくて?」



「違うの、絶対本気で思ってる。」



「ふーん…なんか違う気もするけど…。」





…そういえば、久々にその子のこと思い出しちゃったけど、今頃元気にしてるのかな。



家が近かったから昔から家族ぐるみで仲良くしてたけど、引っ越した理由をお母さんに聞いても『分からない』としか答えてくれなくて。



何も言わずに離れ離れになるなんて、ずっと好きだった私には辛すぎて、とても泣いたのを覚えてる。



せめて何か言ってくれたら…って、今はそんなこと考えても仕方ないよね。



…想い出に残る大切な初恋だったってことにしよう、そうしよう。





「ねえ、今日転校生来るって聞いた?」



「転校生?こんな時期に?」



今は7月、もうすぐ夏休みという時期だ。



「しかもうちのクラスらしいし。」



「そっか〜それは気になる…。」




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