もう一度、君と初恋を。
「俺、普通にボールを手で除けたらよかったのに、気づいたら朱莉ちゃんのこと抱きしめててさ。」
「…え?」
「朱莉ちゃんだから、俺自身でちゃんと守りたかったんだよ。」
そう言ってくれる翔くんの顔は、少しだけ赤いような気がする。
だけど、私を真っ直ぐに見つめてくれる。
「俺、あの噂ほんとにしちゃってもいいと思ってる。」
「あの噂…?」
私が翔くんをたぶらかしてるとかってやつのことだろうか…。
まあちゃんと自分の身を自分で守れなかった私が悪いんだから、そんな噂が広まっても仕方ないよね…。
「…俺と朱莉ちゃんが付き合ってるってやつ。」
「…へっ!?な、なんで…。」