もう一度、君と初恋を。







…ほんと、タイミングが悪い。



俺は教室の外へ行き、誰もいないところまで移動した。



「…もしもし。」



「友希!ごめんね、電話しちゃって。なんか話したい気分だったの。」





──加奈は、俺の彼女だ。



俺が引っ越してから、向こうの高校で出来た彼女。



俺に告白してくれた時、もちろん断ってやろうと思っていた。



けど、どうしても朱莉のことを忘れたくて、とりあえずオーケーした。



最初はすぐ別れるかと思ったけど、朱莉のことを少しずつ忘れていって、そして加奈のことを少しずつ好きになっていってる気がしていた。



だから俺がこっちに戻るって決まった時も、別れるなんてことはしなかった。





< 71 / 93 >

この作品をシェア

pagetop