もう一度、君と初恋を。
「……私、フラれちゃうの?」
「加奈、なんで。」
「図星なんだね…そっか…。」
悲しげな声が電話越しに聞こえる。
加奈は変なところで察しがいい。
「…私、友希といて楽しかったし幸せだった。友希も、私のこと好きでいてくれてるんだって思ってたの。でもね、友希は私にキス以上は絶対にしてくれないでしょ。」
…そんなの、出来るわけがない。
朱莉じゃなきゃ、絶対にしたくない。
「それに、寝言でよく違う女の子の名前を呼んでたの。『あかり』って…。」
「…マジで?」
俺、寝言でも朱莉の名前呼んでたのか?
それって結局、朱莉と離れてる間もずっと忘れられてねえってことじゃん…。